難聴と鍼治療はどう関連するのか
病院では投薬治療が主体
耳の異変を感じたら、多くの場合耳鼻科を受診して医師の指示に従い治療を行います。
難聴の場合、ステロイド剤を投薬しながら経過を見ていくことになりますが、完治するのは全体の3分の1程度であり、3分の1は症状が緩和し、最後の3分の1は全く症状の改善が見られません。
手術が必要な疾患が影響して耳に異変があるのであれば病変を切除すれば劇的な改善を見込める可能性は高くなりますが、そうした異常でないことが多いので様子を見ることを指示されるケースがほとんどです。
このため3分の2の人は状態が完全に良くならないまま症状を悪化させる場合や症状を固定させたままになってしまいます。
鍼治療はどのように関連する?
病院では治しきれなかった症状を治すために鍼という選択肢があります。
難聴と鍼治療は一見噛み合わないように思えるかもしれませんが、実は全く関連がないわけではありません。
耳の聞こえ方に異変が現れる原因として、内耳の血流が滞っている場合や炎症によって耳管の機能が上手く作用しないというものがあります。
血流の滞りや炎症が原因であるのならば、血流を良くするために天柱や完骨といったツボを鍼で刺激して改善を促します。
ほかにも耳に効き目のある耳門、聴宮、聴会という3つのツボを鍼で刺激することによって改善を図るのです。
どのような原因のものであってもこの方法で完全に治るとは言えませんが、突発性難聴には効果的であり投薬治療よりも症状の改善を図ることが期待できます。
生活改善もセットで行うことで効果倍増
鍼灸治療院に通うだけではなく、日常生活においても鍼の効果を落とさないための指導が行われます。
鍼治療をしてそのときだけ症状の改善が見られても、その効果が持続しなければ意味がありません。
効果を持続させるためには免疫力を高く維持する必要があり、そのために食事や睡眠、ストレスなど生活そのものの改善を促さなくてはならないのです。
生活指導と鍼治療を合わせることによって効果も持続し続けて症状の緩和も早くなりますので、指導に従って日常生活を送るようにしましょう。