気になる鍼治療の効果
世界の認識も変化
東洋医学である鍼治療は、西洋医学における薬などの対処療法でしか対応できないときや、これ以上は治療する方法がないというとき、気になると思われます。
世界保健機関では、これまで科学的根拠がないとして鍼灸治療を正式な医療とは認めていませんでしたが、今では一定の医療効果があると認識を変えています。
つまり、東洋医学によるアプローチには、なんらかの改善効果があると世界が認めたわけです。
人の体にある気の通り道とツボ
東洋医学においては、体には経絡と呼ばれる気が巡る道が全身に通っており、この経絡には神経が集まる経穴と呼ばれる箇所が点在していると考えます。
これがいわゆるツボです。
ツボに神経が集まっているとするならば、そこには神経の痛みが集中していると考えられます。
そのため、ツボを刺激すると痛みを感じますし、痛みを緩和するにはツボをなんらかの方法で刺激することが効果的ということになるわけです。
その刺激を与える方法が鍼であったり、お灸であったりするのですが、中でも鍼が様々な痛みの解消に良いとされるのは、血流改善効果が高いところにあります。
鍼による治療のメリットとは
鍼治療と言われて思い浮かべるのは、管鍼法でしょう。
長さ3センチから8センチまでの極細の鍼を円筒形の筒に入れて、ツボに刺し込んでいきます。
注射針のようにブスリと刺すのではなく、トントンと叩くように刺していくのが特徴です。
この鍼を打つことによってツボに刺激が与えられ、免疫系や自律神経系に作用してなんらかの変化が起こります。
変化の最大の特徴は、痛みを感じていた部分の血流が促され、血行が良くなって筋肉の緊張がほぐれることです。
さらに血流が良くなるとリンパ液の流れも良くなりますので、溜まっていた疲労物質が流れ出し、体外へ排出されて、体がすっきりします。
鍼によってこれらの働きを促すことにより、痛みの軽減効果があると考えられており、とりわけ筋肉が凝り固まった状態になりがちな肩こり、腰痛に良いとされているので、試してみる価値はあるでしょう。