きつい腰痛(椎間関節性腰痛)が、鍼灸施術により改善した症例 (兵庫県 30代 男性)
お悩みの症状
今回の方は、「腰椎椎間関節症」と過去に言われた方です。部活動で柔道をしていた10代の頃から腰痛があり、最初は痛みが断続的にあったため放置していたとのこと。
社会人になっても柔道は続けていたようですが、いよいよ痛みで競技自体に支障が出始めたため、 その時は整形外科へ行かれたようです。
当時は20代前半だったそうですが、レントゲンを撮ると、腰の骨と骨の間のクッションである椎間板が摩耗してしまい、画像上ではほとんど映っていなかったようです。
病院では、「腰椎の椎間関節症」とのこと。
20代でこの状態は珍しいほど重症で、手術の選択もあったそうですが、病院でも20代で手術は早いと言われ、痛み止めや湿布、腰を引っ張る牽引の処置などで経過をみていたとの事。
柔道もそれからはしておらず、それでも痛みは悪化の一途をたどっていたようで、整体や整骨院、鍼灸院など色々なことを試されたそうですが、来院当初はペインクリニックでの痛み止め注射を、月に数回打って誤魔化して生活をされていました。
それでも、季節の変わり目や寒くなる時期にはぎっくり腰に度々なっていたようで、日常生活でも苦労が絶えなかったようでした。
お知り合いの方の紹介で、当院へ来院されました。
柔道が難しくなったため、ゴルフや筋トレをして運動は続けていたようですが、それすらもできなくなるほどの状態でした。
治療方法
1.カウンセリング・検査
2.脈診、舌診、腹診で体の状態の把握・症状と照らし合わせる。
3.ハリの説明を治療前に行う
4.上向きで手足と頭に数本ハリを打つ
5.抜いてうつ伏せになり、背中にハリを打つ
当院での治療後の患者様の感想
「椎間関節症」とは、基本的にはどの方でも、年齢と共に進行をしていく症状です。骨と骨の間のクッションである、「椎間板」が、過度の負荷により摩耗してしまうためと言われますが、大体の方は50代を過ぎる頃に定期健診のレントゲンなどにより判明することがほとんどで、 今回の方のように20代でほぼ完全に見えない状態まで摩耗する方は珍しいです。
それだけ、運動などで腰に負担をかけていたということにもなります。
西洋医学的には、椎間板の中身は半分以上が水分で、周りが硬い線維輪といって、靭帯に近い組織で構成されており、とても頑丈な造りをしています。 それが骨と骨の間のクッションの役割を担うことで、腰全体への負担を減らすという仕組みです。
その椎間板内の水分を常に正常な状態に維持しているのが、毛細血管からの血液による物質交換という機序ですが、過剰な負荷が続いたり、デスクワークが長い場合は、腰回りの血流が阻害されていくために、椎間板内の水分量が正常に保てなくなります。
これは、病院で痛み止めの注射などをしても、痛みを止めるだけになってしまうため、椎間板内の水分量を復活させることは難しいです。
鍼灸施術の場合は、腰椎や椎間板にアプローチができるツボを使うのと、患部へ直接刺激をし、灸頭鍼(きゅうとうしん)と言って、お灸と鍼の刺激を同時に行える方法があり、それをすることで、椎間板 のそばまで刺激をすることができるのと同時に、温熱の刺激でしっかり血流を改善できますから、より早い回復を望める方法です。
今回の患者さんは、腎虚(じんきょ)といって、元々関節や骨が弱くなりやすい体質と、いままでの過剰な負荷が続きすぎたせいでかなり状態は悪くなっていました。
それでも、根気よく施術を続けて下さり、年々改善をしていき、今ではゴルフや、普段の日常生活もほとんど問題なく過ごせています。
一度悪化しているもののため、普段からケアとして鍼灸施術を続ける必要はありますが、来院初期の頃と比べると、諦めていた運動もでき、毎月のようにでていたぎっくり腰のような強い痛みもほとんどでず過ごせており、あらためて鍼灸施術の効果を実感しています。