突発性難聴が鍼灸施術で改善した例【大阪市 30代 男性】
お悩みの症状
今回の患者さんは、「突発性難聴」の症状でお悩みの方です。この方は、3カ月程前に突然の耳鳴り、めまい、聴力低下が起き、2週間ほど緊急入院をして点滴でステロイド静注、それでもほとんど変化が出なかったとのことでした。
その後も病院へ通院は続けましたが、頓服薬の処方では変化もほとんど出ず、再入院をして様子をみましたが、それでも症状は変化が出なかったとのことです。
なんとか別の方法が無いか調べて、当院へ来院されました。治療方法
1.カウンセリング・検査
2.脈診、舌診、腹診で体の状態の把握・症状と照らし合わせる。
3.ハリの説明を治療前に行う
4.上向きで手足と頭に数本ハリを打つ
5.抜いてうつ伏せになり、背中にハリを打つ
当院での治療後の患者様の感想
「突発性難聴」は、いまや耳にする事が増えた疾患のひとつとなってきています。 芸能人の方でも罹患される方をたまにニュースなどで耳にしますよね。実際の施術法としては、”罹患してからなるべく早く”入院によるステロイドの点滴や服用の処置が大切となります。 放置しておくと、症状が固定してしまい、改善が非常に難しくなる場合がほとんどです。
ただ、病院への入院をしてしっかり対応をしても、改善が芳しくない場合もあり、当院へ来院される方は、ほとんどが入院後の改善を求めて来られます。
「突発性難聴」の原因は、現代の西洋医学でもはっきりした原因が分かっておらず、一説には風邪などにかかったあと、内耳と呼ばれる耳の鼓膜より奥の部分でウィルス性の炎症が起こり、組織を破壊してしまうためと言われています。
病院で行うステロイドによる対処法は、この炎症を引かすためのものですが、それ以外の原因の場合はほとんど効果が出ないこともあります。その場合は、炎症が原因ではないという事です。
他の原因としては、例えばストレスにより内耳の血流が著しく悪くなる、もしくは気圧の変化などによるもの、免疫力が低下して、何かしらの細菌などが組織を破壊してしまう場合などがあります。東洋医学では、ステロイドで対応するような炎症性の原因であっても、上記の他の原因であっても、鍼灸施術によりアプローチをして、改善する例があります。
今回の患者さんの場合は、脈や舌、症状などを鑑みた上で、ステロイド点滴をしても効果が無かったため、別の原因として「ストレス性の自律神経の乱れ」、「内耳の血行障害によるもの」、の二つが原因となり、血流はリンパの流れが悪くなって症状が出ていると判断できました。 これは、東洋医学的には、「気滞(きたい)」と、「湿邪(しつじゃ)」によるものとなります。自律神経の乱れにより、耳周囲の血行が障害され、加えて「内リンパ」と呼ばれる、耳の重要な器官である「蝸牛(かぎゅう)」の機能障害が起こっている状態です。
その異常になってしまっている部分を正常な状態に調節する施術を続け、3カ月程の通院をお願いしました。
やはり、「突発性難聴」の早期改善は難しく、この方は病院での点滴などを行っても変化が無かったため、しっかり体質改善をする必要もあるので、効果が出てくるのに時間は必要です。
この3か月というのは、医学的にも細胞が生まれ変わる周期で、その間にどれだけ良い情報(鍼灸施術や生活習慣の改善など)を体の中へ入れていくかがとても大事になります。
この方の場合は、1カ月ごとにしていた、聴力検査の結果も徐々に改善してきていて、今ではほとんど正常の範囲にまで戻りました。(初診時は、高音・低音ともに70dB程度の難聴でした。)このように、病院でも難しい病態であっても、根気よく鍼灸施術をすれば、当院では改善する例も多いです。 病院で無理だったものでも、諦めずに鍼灸施術を選択するのもひとつの手段です。
中には、数年経過してから施術をする方でも、改善する例もあります。