心斎橋本院
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風邪で鍼灸院に行くとはまず考えない人が現代人には多いでしょう。でも本来の鍼灸治療を行ったならば風邪の症状はかなり軽くなり、その後さらに治療を継続させることが出来たら風邪を引きにくい体質へと変化させることも可能です。
皆様に認識頂きたいのは風邪を治す薬は存在しないということです。薬局でも病院でも扱っている風邪薬と言われるものは、風邪にまつわる様々な症状を抑え込むためのものです。
例えば鼻水・くしゃみに効くと言われているものは粘膜を強制的に乾かせることによって症状を押さえています。
抗生物質は風邪専用のものは存在しませんので、服用することで腸内の善玉菌も殺菌しますから、人によっては風邪薬を服用すると常に下痢になってしまう人もいます。
風邪は様々なウイルスによって引き起こされる厄介なもので、ウイルスは多種多様であり、しかも変異を繰り返しています。残念ながら薬の開発は全く追いついていない状態ですから、薬での根本治療は不可能です。風邪薬を服用して一時的に症状を抑え込んでいる間に、自分の免疫を働かせなければ風邪の完治はあり得ないのです。
であるならば、わざわざ副作用のある薬を服用することなく、自然治癒力を引き出す、予防医学にも長けている東洋医学(鍼灸)の力をもう少し使ってみませんか?
東洋医学(鍼灸)の世界では、体内に内臓に加えて気・血・水という組織が存在するとし、それらすべての臓器や組織がきちんと働いている状態を健康な体としています。その働きが上手くいかなくなっている一つの例として「気虚症状(ききょしょうじょう)」と言われる状態があります。気は生命エネルギーそのものとお考え頂ければ良いので気虚はその力そのものが衰えた状態を指しますから、判りやすく言うならば体力が無くなり免疫力の低い状態を表現しています。それに加えて「内寒(ないかん)」と「外寒(がいかん)」が影響し風邪の症状を引き起こしたと捉えます。内寒とはもともとの冷えやすい体質であることや、冷たいものの飲み過ぎ・食べ過ぎを指しています。
すなわち体内が冷えた状態です。外寒とは、外からの冷えですので気温が下がったことや薄着の状態でクーラーの風に当たることなどを指します。皆様も風邪を引いた時を振り返ってみると、もともと体力が無かった時期に冷えが加わったというのは、実体験としてお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そのような風邪には「気」を充実させる、ベースの体力をつけるようなハリをしながら、体を温める働きのハリやお灸を加えて発汗を促し「寒」を体外へ排出させます。治療に伴う痛みは全くありませんし、ゾクゾクしているような感覚はその場で無くなり、とても気持ちいい治療です。
これはハリという媒体は使っていますが、自分自身が体を温めることにより免疫を活性化させる方法ですので、自分の力で風邪を治している状態です。また夏の場合は暑さの疲労で起こる風邪もありますから、前述したように発汗させる方法と異なった方法を取ることもあります。
東洋医学(鍼灸)の場合は風邪という現象が同じでも原因が違えば治療法は異なります。季節、原因、その人の元々の体質などすべて考慮してトータルで人の体を診ていく医療です。
現代医学に慣れるときちんとデーターが出ていない東洋医学を曖昧に感じることもあるかもしれませんが、こんなに医学が進んだ現代でも風邪薬が存在しないのは紛れもない事実です。免疫力を働かせなければ全く効果を持たないのです。東洋医学は免疫を引き出すのに最も優れた医療と言えます。
ここ1年で5回ほど風邪をひき、その度に喉の痛みと咳に悩まされていました。まえだ鍼灸院で腰痛の治療中ずっと咳をしていて、先生に風邪ですか?と聞かれ事情を説明しました。
すると、数か所のツボに軽くポンポンとハリを!10分ぐらいすると呼吸が楽になり咳が落ちつきました。風邪にハリが効くなんて知らなかったのでビックリしました!免疫自体をハリで上げる事で、風邪の治療や内科的症状の治療は可能だし、むしろ専門分野だよと教えてくれました。現在も体の免疫を上げるために通院中ですが風邪もひかずすっかり元気になりました。